武蔵野市条例案、過程に不備 原案作成の懇談会、法的根拠欠く

掲載媒体 : 産経新聞

 日本人と外国人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案が昨年末に否決された東京都武蔵野市で、住民投票条例案の根拠となる自治基本条例の原案を作った懇談会が、市の要綱のみを根拠に設置されていたことが31日、関係者への取材で分かった。地方自治法は、自治体の付属機関は法律や条例に基づき制定すると規定。他の自治体で過去に同様の問題が発覚した際は、裁判所が違法性を認めたケースもあり、武蔵野市の懇談会も同法に抵触する疑いがある。

 松下玲子市長は否決された住民投票条例案の内容を修正し、再提案する意欲を示しているが、同条例案の根拠となる条例の制定過程に不備が発覚したことで、是正が必要になる可能性が出てきた。

 懇談会の正式名称は「武蔵野市自治基本条例(仮称)に関する懇談会」で、大学教授や公募市民、副市長ら9人で構成。平成28年11月に設置され、2年かけて自治基本条例の原案を取りまとめた。市は原案に基づき令和2年4月に自治基本条例を施行。同条例は住民投票について「必要な事項は、別に条例で定める」(19条)としており、市の住民投票条例案の根拠となっていた。

 地方自治法は「普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の付属機関(中略)を置くことができる」(第138条4の3項)と定めている。全国町村会は付属機関の役割について、自治体から依頼された計画策定などの判断や方向性を示すとしており、武蔵野市の懇談会も該当する可能性が高い。しかし、市は内規に過ぎない「要綱」のみを根拠に懇談会を設置していた。

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