人間の職域は着実に浸食されている

博士77
 何処の国にも国家試験制度があり、文系では司法試験、理系では技術士がその最高峰、最難関とされている。医師試験のように医大で学び研修したことが重要視され、ほぼ全員が受かるものとはちょっと異なる。

 わけても司法試験は、就職試験でもあって合格者は試験の成績順に判事、検事、そして弁護士として即座に振り分けられ、最高裁判所の手でそれぞれ所定の期間、研修し、裁判官なり検事なりに取り立てられていく。弁護士は仕方無いからどこかの法律事務所へ身を寄せてキャリアを積んでいく。

 そこへAIの裁判ツールが登場した。係争の方針やら裁判所での抗弁などについて過去の全ての裁判記録や判例を参考に最適解を導きだすという。法律事務所もビジネスだから、高額の報酬が必要なベテラン弁護士を雇用したり訳のわからない新人を青田買いして育てるよりも、AIのシステムを拡充して効率を高めたいと思うだろう。

 チェスや将棋も既にAI棋士には勝てなくなっており、人間同志の勝負とした限定したものになってしまってる。

 厖大な情報から必要なものを抽出して、適切な手を打っていく。空想科学の漫画や書籍ではあった話しだがリアルになってきた。マシニングセンターの登場で旋盤工など金属加工のエキスパートが不用になっていったが対岸の火事ではなくなってる。

 誤解を恐れず語るなら、食い詰めた弁護士の一部はこれで反社行為に走るようになるとみた。今でも民事事件の1/4でそうした悪徳弁護士が暗躍しているそうだから実績がある(笑)

 医療技術の発達で平均寿命が延伸したものの健康寿命はほぼそのまま、それで国の社会保障費用が嵩み、介護や看護に廻る家族などの負荷を高めてしまっている。

 AIの最上位に神の如く国や世界のことを考え、全体のバランスをみて人間にアドバイスする高位のAIの誕生が待たれるところ。尤もそれで政治家や政党、行政がその迸(とばっち)りを受けることになる、コンピューターが氾濫を起こす映画「HAL」を思い出し。