「老後破綻」の顛末

博士77
 「介護離職」という言葉がある、筆者はてっきり介護職に就いていた者がその処遇や激務に耐えかねて辞職していくものを指すとばかり思っていた。だが、そうではなく親の介護をする「体」(振りをして)で親の恩給や年金を当てにしての同居を始める輩のこだと判って驚いた。

 こうした現象は米国にも見られる。米国に於ける退役軍人恩給は、現役時代の75%が支給され、医療費は無償、補聴器や老眼鏡までが只になり、(国内)航空会社では伝統的にEconomyのチケットが自動的にFirstにアップグレードされ、機内では当機に元軍人が搭乗しているとアナウンスされ乗客から拍手が捲き起こる。こうした手厚い処遇が死ぬまで続く、死後、妻帯者であればその1/2が妻の年金にプラスして支給されていく。

 先の(2020)大統領選挙でペンシルバニアなど7州の郵便投票を精査してみたら、その40%が既に他界している人が投票していたことが発覚した。米国は土葬であるために埋葬許可が不要なことや、貧民層では葬儀すらしない場合が多く、近隣との交流がなければ、恩給の給付を受け続けることなどは簡単。死んだ後も利用はされるは、弔いもされず墓もないでは、浮かばれまい。

 WashingtonDCにある退役軍人省(VA)が一手で統轄しているが、これまで現地調査などが行われたことがない由、よって158歳なんてあり得ない年齢なのに支給し続け、それに基づき、選挙投票券が発送されるなどが行われそれが悪用されていた。今回、露呈した遺族らは連邦法により起訴され受給していた恩給の返還と実刑が待っている。

 筆者は40代の数年間、米海軍の要請で軍需企業( Raytheon https://www.rtx.com/ )に出向していたことがあり、恩給はさすがに辞退しているが、医療扶助の方は有り難く受けている。薬価や医療点数が日本の6~7倍という中で全て無料というのは有り難い。また、米国に於いては、終末医療(ホスピス)は富裕層の為のものと位置付けられており、費用が高額なために、おいそれとは入居できないが、それも全額給付の対象となると聞き及び、米国の偏っている社会保障政策に疑問を感じつつも、近い将来利用させてもらうかな?と密かに思ってるところ。せめてもと、墓地の清掃整備のVolunteerとして登録しているが、それに対しても何と週$700の報酬がでるそう。まったく恩返しにならない。

 それに引き換え日本の社会保障は政(まつりごと)の看板でもあり、これまでも過不足なく行われているようにみえるが、年金資金の運用では悉くが失敗、数年以内に年金の支給額は半減されることは確実、給付開始年齢も引き上げられていく、物価が狂瀾する悪いインフレに突入していく中で、働ける内ならなんとか凌げるとしても、後期高齢を迎える頃にはその60%が深刻な既往症を抱えるのであって、仮に健常者であったとしても就職口などはないだろう。これが「老後破綻」の顛末だが、一体どうされるのであろうか?

 そうしたことに対処していくCommunityの存在と参加はもう必須のものとなっている。でなければ既に、Switzerlandなどで実行されている尊厳死なども現実のものになってくるかも。